マルカスが声を上げれば、助手席から振り返ったアーリィーがニコニコと彼を見るのだった。 一時間ほどのドライブの末、魔法車はダンジョン『大空洞』へ到着した。 車から降りて、俺たちは装備品の最後の点検。 俺は竜鱗の服にエルフマント、左腕にミスリル製小型盾バックラー、武器には古代樹エルダーウッドの杖を持っている。英雄時代に古代樹の森で手に入れた素材から作った杖は、軽くて硬く、魔力との相性もいい。革のカバンに荷物を詰め、腰のベルトにはダガー『火竜の牙』を下げている。 アーリィーはカメレオンコートの下に、ミスリル製の胸甲と肩当を着込んでいる。俺がダンジョンでの行動を考え、極力軽いほうがいいと助言したためか、それ以外に防具らしいものはない。 だが以前渡した防御魔法具できっちり固めているため、軽装に見えて、おそらく一番防御力が高いだろう。武器は最近定番のエアバレットとライトニングソード。これに加え、腰には緊急時の薬などを入れるポーチと、魔石拳銃ライトニングバレットをホルスターに下げていた。 サキリスは、ミスリルの鎧に盾、剣と、ふだんの訓練ではおなじみの装備だ。女性魔法騎士としては定番のスタイルだが、大変高価なミスリルシリーズで固めているのは、さすが裕福な家の出と言える。 ![](https://img.altema.jp/houkaistarrail/kakudaiyou/syuzinkou02.jpg)